2022/11/15 17:53
ほんとうに久しぶりのJOURNAL更新となってしまいました。(こちらのHPに移行してからはほぼ初めましてですね…)
ここ数年は、Instagramでのお知らせや投稿がメインとなり、昔のように買付日記や長く文章を書く機会もすっかり減ってしまいました。
Instagramをご覧いただけている方は知ってくださっているかと思いますが、今更ながら改めましてご報告を。2014年より活動の拠点をフランス・パリに移し、年に2回ほど日本に帰国しては、アンティークの展示販売や、ヨーロッパやフランスで出会ったアーティストの作品をご紹介しています。
今日は今週18日からはじまります展示、フランス人陶芸家マノン・クルーゾー(Manon Clouzeau)のご紹介です。
マノンは、2014年にパリの陶芸サロンではじめて出会い、2016年に『les trois œuvres』展(3人の作家展)のひとりとして、日本で初めてとなる展示をして以来、ずっとkosajiで紹介し続けているアーティストで、今では大切な友人でもあります。
今年の4月、外苑前のFUCHISOさんにて開催されました初個展では、ありがたいことにたくさんの方に足をお運びいただきました。お越しくださいました皆さま、FUCHISO店主の小松綾子さんにもあらためまして深く感謝いたします。
13歳のときに田舎の親戚を訪ねた際に、(現在はマノンが受け継いだ)陶芸家のアトリエを訪ねワークショップに参加し、初めて陶土に触れる。
土に触れ、その変容のステップを感じながら、呼吸をするように自然の流れとリズムで生み出される小さなボウル。彼女にとってボウルは最も自然な動きで作り出されるフォルムだと言います。彼女がずっと探求し続けているのは、その色彩の世界。
それは夜明けの空であり、夕暮れどきの黄昏、夜の闇、波打ち際の石や砂、移りゆく季節、変わり続ける風景、そのすべての自然の色。
彼女の作品は(基本的には)ボウルに統一されていますが、さまざまな地域の土、植物の灰を混ぜた釉薬を使い分けて作られるそのひとつひとつがユニークピース。
美しい朝の光が注ぐマノンのアトリエ。寒い冬は、仕事をはじめる前にストーブで温めた湯を桶にはり、じっくり手を温めるところから一日がはじまります。そして瞑想をするように静かで厳かな所作でお茶を淹れます。そうして一日に何度もお茶の時間を設けている彼女。
マノンの器のような燻んだブルーの朽ちた壁、よく使い込まれた組み木の床。窓の向こうには村の小さな教会が目の前にのぞくアトリエで、その静かにブレない情熱と研ぎ澄まされたエネルギーがひとつひとつの器に魂を吹き込むように紡ぎ出されてゆきます。
2016年にはパリの装飾芸術美術館にてグループ展に参加、2018年は鉱物博物館にて鉱物と共に展示、今年は数年ぶりにパリの陶器サロンに出品するなど、まだ若い彼女ですが、フランスだけでなくヨーロッパ内でも活動を広げ、着実に道を歩んでいます。
自らの作品と同じくらい言葉を大切にする彼女の詩的な世界とその色彩を、名古屋の皆さまにご覧いただけることを、マノンもとても楽しみにしています。日本では東京以外では初めての展示となります。是非手に触れ、テクスチャーを感じ、繊細な色彩のニュアンスをお愉しみください。
・・ 作家略歴 ・・
パリ郊外フォンテーヌブロー出身
13歳のときに田舎の親戚を訪ねた際に、
陶芸のワークショップに参加。初めて土に触れる。
2008年-2012年
美術学校陶芸科専攻(Switzerland/Belgium)
卒業後フォンテーヌブローにて作陶活動
2013年
フランス南西部(Aubeterre-sur-Dronne村)に制作拠点を移す
・陶器サロン出展 (Paris)
2016年
・装飾芸術美術館グループ展(Paris)
2017年
・鉱物博物館 展示 (Paris)
・個展(Paris)
2019年
・個展(Paris)
2020年
・グループ展 (Cognac)
2021年
・NHKEテレ『パリジェンヌの田舎暮らし』出演
・個展(Paris)
2022年
・陶器サロン出展 (Paris)
*マノンの製作風景を記録したフィルムです
そして今週18日から、名古屋のSASHIIROさんにて展示がはじまります。SASHIIROさんは昨年5月に同じくkosajiでご紹介しているイギリス人木工家アントニス・カーデュー(Antonis Cardew)の展示でもお世話になりました。
SASHIIROさんは普段フランスのアンティークを販売されていて、店主のかなこさんとは買付先でご一緒する機会も多く、今回もまた嬉しいご縁が繋がりました。(9月にはベルギーの買付旅もご一緒させていただきました)
高い天井とブルーグレーの壁、かなこさんのセレクトされたどこかロマンティックなアンティークに囲まれたSASHIIROさんの空間は、マノンのアトリエにも通ずるような美しい静けさのある空間です。その空間で、マノンの小さな器をたくさんの皆さまにご覧いただけることを心より楽しみにしております。
“Manon Clouzeau Exhibition”
<会期> 2022. 11. 18 fri — 24 thu / Open 11:00 - 18:00
<Curator> kosaji 駒村 志穂子 <在廊日> 11. 18 fri
<場所> SASHIIRO / 名古屋市中区正木1-13-14 愛知県製綿センター1F
*詳しくはこちらへ
11月 "Manon Clouzeau Exhibition " — SASHIIRO
Manon Clouzeau
フランス人陶芸家マノン・クルーゾー。
サンティアゴ・デ・コンポステーラへと向かう巡礼の道にある、フランス南西部の美しい小さな村に住居とアトリエを構え、作陶するマノン・クルーゾー。
13歳のときに田舎の親戚を訪ねた際に、(現在はマノンが受け継いだ)陶芸家のアトリエを訪ねワークショップに参加し、初めて陶土に触れる。
土に触れ、その変容のステップを感じながら、呼吸をするように自然の流れとリズムで生み出される小さなボウル。彼女にとってボウルは最も自然な動きで作り出されるフォルムだと言います。彼女がずっと探求し続けているのは、その色彩の世界。
それは夜明けの空であり、夕暮れどきの黄昏、夜の闇、波打ち際の石や砂、移りゆく季節、変わり続ける風景、そのすべての自然の色。
彼女の作品は(基本的には)ボウルに統一されていますが、さまざまな地域の土、植物の灰を混ぜた釉薬を使い分けて作られるそのひとつひとつがユニークピース。
美しい朝の光が注ぐマノンのアトリエ。寒い冬は、仕事をはじめる前にストーブで温めた湯を桶にはり、じっくり手を温めるところから一日がはじまります。そして瞑想をするように静かで厳かな所作でお茶を淹れます。そうして一日に何度もお茶の時間を設けている彼女。
マノンの器のような燻んだブルーの朽ちた壁、よく使い込まれた組み木の床。窓の向こうには村の小さな教会が目の前にのぞくアトリエで、その静かにブレない情熱と研ぎ澄まされたエネルギーがひとつひとつの器に魂を吹き込むように紡ぎ出されてゆきます。
2016年にはパリの装飾芸術美術館にてグループ展に参加、2018年は鉱物博物館にて鉱物と共に展示、今年は数年ぶりにパリの陶器サロンに出品するなど、まだ若い彼女ですが、フランスだけでなくヨーロッパ内でも活動を広げ、着実に道を歩んでいます。
自らの作品と同じくらい言葉を大切にする彼女の詩的な世界とその色彩を、名古屋の皆さまにご覧いただけることを、マノンもとても楽しみにしています。日本では東京以外では初めての展示となります。是非手に触れ、テクスチャーを感じ、繊細な色彩のニュアンスをお愉しみください。
・・ 作家略歴 ・・
パリ郊外フォンテーヌブロー出身
13歳のときに田舎の親戚を訪ねた際に、
陶芸のワークショップに参加。初めて土に触れる。
2008年-2012年
美術学校陶芸科専攻(Switzerland/Belgium)
卒業後フォンテーヌブローにて作陶活動
2013年
フランス南西部(Aubeterre-sur-Dronne村)に制作拠点を移す
・陶器サロン出展 (Paris)
2014年
・陶器サロン出展 (Paris)
2016年
・装飾芸術美術館グループ展(Paris)
2017年
・鉱物博物館 展示 (Paris)
・個展(Paris)
2019年
・個展(Paris)
2020年
・グループ展 (Cognac)
2021年
・NHKEテレ『パリジェンヌの田舎暮らし』出演
・個展(Paris)
2022年
・陶器サロン出展 (Paris)
*マノンの製作風景を記録したフィルムです
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